心地よい香りで心身を癒してくれるアロマ。そんなアロマの効果効能は、科学的に実証されていることをご存知ですか?
当記事では、香りと脳の関係や香りが与える心理効果、おすすめのアロマオイルについて解説しています。アロマに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
香りと脳の関係とは
香りには、一瞬にして脳を活性化させるパワーがあります。なぜなら、香りを嗅ぐときに使う嗅覚は、五感のなかでも古くから存在する原始的な感覚器であるためです。まずは、香りと脳の関係について詳しく見ていきましょう。
嗅覚だけはダイレクトに脳へ刺激される
香りは、通常「鼻」「嗅上皮」「嗅細胞」「嗅球」「大脳辺縁系」の順で、脳へ到達します。 このうち大脳辺縁系では、食欲や睡眠欲などの本能的な感情を司ります。嗅覚は、この大脳辺縁系と直接リンクしていますが、これは五感のなかで嗅覚だけが持つ特徴であるのです。 つまり、人間が持つ五感のなかでも、嗅覚だけはダイレクトに脳を刺激するのです。
プルースト効果
「プルースト効果」とは、特定の匂いを嗅いだとき、それに結びつく過去の感情や記憶を呼び起こす現象のことを言います。プルースト効果という言葉は、フランス人作家のマルセル・プルースト氏が書いた「失われた時を求めて」の作品から誕生したものです。こちらの小説に登場する主人公が、マドレーヌが焼けた匂いを嗅いだときに、幼少の頃の母との記憶を思い起こした描写から名付けられました。
人間が得る情報のうち、実に80%は視覚によるものと言われています。しかし、香りから得た情報は、時として視覚から得る情報以上に深く、その人の心に刻まれることがあるのです。
潜在意識を呼び覚ます
潜在意識とは、これまでの経験から知らぬ間に蓄積された価値観や習慣などの、自覚されていない意識のことを言います。
私たち人間の脳は、理性的な一端を司る「大脳新皮質」と、本能的な一端を司る「大脳辺緑系」の、ふたつの部位に分けられます。私たちが日常生活を送るうえで得た視覚や聴覚、味覚などの情報は、大脳新皮質へ送られてから処理されます。
しかし、香りから得た情報に関しては、大脳新皮質を経由せず、ダイレクトに大脳辺縁系へと届けられます。この大脳辺縁系には人の記憶を保管する場所があるのですが、香りから得た情報は、この箇所にピンポイントに伝わるため、意識せずに過去の思い出や感情を呼び覚ますことができるのです。
香りの心理効果
ここまでは香りと脳の関係について見てきました。では、良い香りを嗅ぐことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下では香りがもたらす心理効果について、詳しく説明します。
リラックス効果
香りを嗅ぐことで、脳の中枢部にある大脳辺縁系が匂いの情報を判断し、感情や記憶を呼び起こします。さらに、香りの情報は、内分泌系や自律神経系を司る視床下部や下垂体にも伝わるため、ホルモンの分泌が促進されます。これによって、リラックス効果や幸福感を得られるのです。
前向きな気持ちになれる
憂鬱な気分が続くときや気疲れしたときに、お気に入りの香りを嗅ぐと、ポジティブな気持ちになれることもメリットのひとつです。特に柑橘系の香りには、気分を爽やかにさせる効果があります。リラックスするとともに自信を取り戻し、前向きな気持ちになれるので、落ち込んだときには、香りを楽しむことをおすすめします。
イライラを抑えてくれる
香りには、イライラを軽減してくれる効果があることも認められています。芳香成分が脳に伝わると自律神経を刺激し、私たちの心や身体に快・不快の感情を与えます。さらに、嗅覚は視覚や聴覚などを含む「五感」のなかで、唯一「情動」に伝わると言われています。
実際に、過去には学生相談室を利用する学生を対象に、一週間毎日好きな香りを嗅いでもらうことで、メンタル面でどのような変化が起きたのかを調べた研究があります。
もともと学生相談室を利用する学生は、そうでない学生に比べて、睡眠の質が悪く、不安感が強いなどの特徴が見られ、メンタルが安定していない傾向にありました。しかし、実験の結果では香りを定期的に嗅ぐことでメンタルが改善され、相談室を利用しない学生との差がほとんどなくなるまでに変化したのです。
おすすめのアロマオイル
さまざまな香りを楽しめるアロマオイルは、適度に取り入れることで、生活をより豊かにしてくれます。精油の良い香りで、気分転換やリラックスをしたい人も多いのではないでしょうか?
ここからは数あるアロマオイルのなかから、特におすすめのアロマオイルの香りを3つ紹介します。自分に合ったアロマオイルを見つけて、生活のなかにちょっとした癒しタイムを作ってくださいね。
グレープフルーツ
フルーティーながらも、やや苦みのある爽やかな香りとして親しまれるグレープフルーツ。他の香りと比べて甘すぎず、ほどよい爽快感があることから、比較的男性にも取り入れやすい香りと言えるでしょう。
そんなグレープフルーツのアロマオイルには、リフレッシュ効果があります。気分転換をしたいときや眠気を感じるときにもってこいの香りで、集中力を高めてやる気を引き出してくれます。
また、グレープフルーツは血行やリンパの流れを促す作用もあることから、むくみや冷え対策としても有効です。最近ではダイエット効果があることでも注目が集まっています。
オレンジスイート
オレンジスイートの香りは、明るく前向きな気分にさせてくれる効果があります。不安や緊張をほぐしたいときにぴったりの香りで、失った自信を取り戻すサポートをしてくれます。
また、オレンジスイートの香りには、胃腸の動きを活性化して消化液の分泌を促してくれる効果も期待できます。そのため、ストレス性の胃痛や食欲不振、下痢などに慢性的に悩まされている人にもおすすめの香りとなっています。
「重要な仕事を任されていて、緊張している…」「最近、ストレスで胃の調子が悪い…」。そんなときにはオレンジスイートの香りを嗅ぐことで、リラックスした状態になれるでしょう。
ラベンダー
アロマオイルの定番とも言える香りのラベンダー。独特なフローラルな香りには、「酢酸リナリル」という芳香成分が多く含まれており、ふんわりと温かみのある香りがします。
そんなラベンダーには鎮静作用があり、疲れ・ストレス・不眠改善などに効果が期待できると言われています。リラックス効果がとても高いため、寝付けない夜の救世主として活用している人も多いようです。
また、ラベンダーは万能精油とも言われており、体への多くの良い効果を期待できます。例えば、頭痛や月経痛、肩凝りなどの痛みを緩和してくれる効果があったり、肌荒れ、かゆみ、虫刺され、日焼けなどの皮膚の炎症を鎮め、再生を早めてくれたりする作用があるのです。このような理由から、肌トラブルの改善やアンチエイジング目的のスキンケアとして広く使われています。
まとめ
今回は香りと脳の関係や香りが与える心理効果についてお伝えしました。嗅覚以外の感覚は、大脳新皮質を経由するのに対し、嗅覚だけは大脳辺縁系へ直接到達することがわかっています。イライラしたときや体が疲れたときに、心地良い香りを嗅ぐと心身ともにリラックスできるのは、香りがその他の感覚よりも速いスピードで、感情に訴える力を有しているからと言えるでしょう。ぜひ、香りを味方につけて、生活をさらに豊かなものにしてください。
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