アロマにはリラックスやリフレッシュ効果などがあり、日常に取り入れる方も増えています。そんなアロマの楽しみ方は芳香浴や化粧品など数多くありますが、そのなかでも手軽に楽しめるのが沐浴法です。入浴とアロマのそれぞれの効果が掛け合わさって、相乗的な効果を実感できるでしょう。今回はアロマの沐浴法による効果や沐浴法の種類、注意点などについて紹介していきます。お風呂もアロマも好きな方はぜひ参考にし、実践してみてください。

沐浴の効果

沐浴はエッセンシャルオイルなどの精油をお湯に混ぜ、全身または一部を浸けてアロマを楽しむ方法です。全身や体の一部がお湯に浸かっている間に、湯気とともに香りが優しく包み込んでくれます。

沐浴では入浴で効果的といわれる生活習慣病の改善やリラックス効果、冷え性改善の効果があるとされています。また、これらの入浴の効果にアロマの癒しの効果が加わることで、相乗効果を期待できます。

このようにアロマを利用した沐浴では、お湯で揮発したエッセンシャルオイルの働きとともに、入浴で得られる温熱効果やリラクゼーション効果が加わり、心身共に高いアロマ効果が得られるのです。

入浴による温熱効果

アロマを利用した沐浴では、入浴で効果的とされる温熱効果も期待できます。温熱効果とは、入浴によって全身をお湯に浸けることで、身体の深部から温めてくれる効果のことです。温熱効果によって、全身の毛細血管が広がり、血行促進や関節痛の改善も期待できます。また、消化機能や循環機能も活発化して、免疫力の増強やデトックス効果も高まります。

これらの温熱効果を高めるためには、40〜42℃と少し高めの温度設定で入浴するとよいでしょう。そうすることで交感神経が刺激され、新陳代謝が促進されます。

リラクゼーション効果

アロマを利用した沐浴では、エッセンシャルオイルなどの香りを嗅ぐことによってリラクゼーション効果を得ることができます。香りの情報は内分泌系や自律神経系を管理する視床下部や下垂体に伝わり、ホルモンの分泌が促されます。その結果、幸福感を感じたり、痛みが緩和されたりと、リラクゼーション効果が得られるのです。特にヒノキやスギなどの香りを使用することで森林浴効果を得ながら、入浴で体の深部までが温まり、自律神経も整えられるでしょう。沐浴の際には35〜38℃と少し低めの温度設定にして長めに浸かることで、副交感神経が働き、よりリラックスした状態になります。

沐浴法の種類

アロマを使った沐浴法には、いくつかの種類が存在します。全身を湯舟に浸けながら香りを楽しんだり、手や足などを部分的にお湯に浸けて短時間で手軽に楽しんだりと、さまざまです。ここでは「全身浴法」「半身浴法」「手浴法」「足浴法」の4つの沐浴法について紹介していきます。自身の目的やシーンに合わせて、実践しながら楽しんでみてください。それでは、それぞれの沐浴法について詳しく見ていきましょう。

全身浴法

全身浴法とは全身を湯船に浸しながらアロマの香りを全身で浴びる沐浴法です。日々の入浴の際には、入浴剤の代わりにエッセンシャルオイルを利用して楽しむことが可能です。具体的には、基材となる天然の塩や無水エタノールなどの基材に、エッセンシャルオイルを1〜5滴程度垂らします。お湯を張った浴槽にアロマオイルを垂らした基材を入れて、ゆっくりと全体を混ぜます。その後、肩まで湯船に浸かりながら、15分〜30分程度香りを楽しみます。全身浴法では冷え性改善やゆっくりと気持ちをリラックスさせたいと思ったときに35〜38℃で入浴すると効果的です。眠気覚ましや意識をシャキッとさせたいときには、40〜42℃程度がおすすめ。温度を高くして沐浴するときには、入浴時間を短めにしておきましょう。

半身浴法

半身浴法とは、下半身を中心にお湯に浸かりながら沐浴する方法です。半身浴法は全身浴法と比較しても循環器系への負担が少なく、ゆっくりと沐浴できて、全身を温めることが可能です。具体的な方法としては、まず基材にエッセンシャルオイルを混ぜます。このとき、全身浴法に比べるとお湯の量が少ないので、エッセンシャルオイルの分量を1〜3滴程度にしておくとよいでしょう。

次にエッセンシャルオイルを混ぜた基材を浴槽半分のお湯に入れて、ゆっくりと混ぜます。その後、香りを楽しみながら、みぞおちあたりまで湯船に浸かります。お湯は38℃程度と少し低めにして、30〜45分程度と長めに浸かるのがおすすめです。上半身は沐浴中に冷えないように、タオルなどを羽織っておくと良いでしょう。このように、半身浴法は全身浴法に比べて長い時間お湯に浸かることが可能なので、ゆっくりリラックスしたい方におすすめです。

手浴法

手浴法はハンドバスとも言われる、お湯に両手を浸けながら香りを楽しむ方法です。具体的には、洗面所や桶などにお湯を張り、基材に混ぜたエッセンシャルオイルを1〜3滴程度垂らします。オイルを垂らしたらお湯をかき混ぜて、約10分両方の手首までの部分を浸します。このとき、温度は40〜42℃程度と少し高めにすると手の血行が良くなり、特に上半身の血流は促されて温まります。時間も短く体力の消耗も少ないので、スキマ時間のちょっとした気分転換におすすめです。

足浴法

足浴法はフットバスと言われる、お湯に足首まで浸ける部分浴法です。まず、バケツやたらいなどにお湯を張り、その中に基材とともにエッセンシャルオイルを1〜3滴程度垂らします。全体にオイルが混ざるようにかき混ぜて椅子に座り、10分程度両方の足首までを浸します。少し長めに浸かりたいときにはポットなどに熱いお湯を準備し、ぬるくなってきたらお湯を足しながら行うと良いです。

手浴法に比べると、血流が滞りやすい足を温めることで全身の血行が良くなって、体全体が温まりやすいと言えます。また、特に冷えやすい足先を温めることで、冷え性改善にも効果的です。

沐浴の注意点

ここまで沐浴の効果や行い方について、紹介してきました。沐浴は手軽に行えて、アロマを楽しめる方法ですが、実施するうえでの注意点も存在します。特に注意が必要な点としては「赤ちゃんのいる家庭での使用」と「アロマによる皮膚刺激」のふたつが挙げられます。ここからはこの2つの注意点について、詳しく解説していきます。

赤ちゃんのいる家庭は注意

エッセンシャルオイルを使用した沐浴を行うとき、赤ちゃんのいる家庭では注意が必要です。一般的にお肌が敏感な3歳未満の乳幼児には、沐浴でのオイルの使用は禁止されています。言葉が満足に話せない乳幼児では、万が一不快な気分や異常が発生した際にもSOSを出すことが難しいためです。

また、3歳以上の赤ちゃんに使用する場合でも、大人と同じ量を使用するのではなく、肌の状態を見ながら使用するようにしましょう。もし肌が赤くなったり、ヒリヒリしたりした場合には、ただちに使用を中止してください。

皮膚刺激に注意

沐浴でエッセンシャルオイルを利用する際には、皮膚への刺激にも注意する必要があります。エッセンシャルオイルは使う量(滴数)を誤ると、肌への刺激によって赤くなったり、ひりひりしたりすることがあります。沐浴方法やお湯の量にもよりますが、エッセンシャルオイルは1〜5滴程度を目安にするとよいでしょう。複数のオイルをブレンドして使用する場合にも5滴以内にとどめるようにしてください。

また、敏感肌の方やお子様に使用するときや、より肌に優しいマイルドな沐浴をしたい場合には基材の使用もおすすめです。オイルを直接お湯に入れるのではなく、基材として天然の塩や無水エタノール、はちみつなどに混ぜたうえで、お湯に入れると刺激が緩和されます。

まとめ

今回はアロマの沐浴法の効果や種類、注意点などについて紹介してきました。アロマのリラクゼーション効果と入浴の温熱効果によって心身共にリラックスできるので、おすすめのアロマの楽しみ方です。また、沐浴法にもさまざまな方法があるので、目的やシーンに合わせて実践するとよいでしょう。今回紹介した内容を参考に、いつも使用している入浴剤をエッセンシャルオイルに変えるなどして、ぜひアロマの沐浴を試してみてください。

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