アロマの香りは脳に働きかけ、心や体にさまざまな効果をもたらすとされています。そんなアロマの効果のなかで、今回注目するのは記憶力向上効果です。リモートワークが増えた今、記憶力や集中力をアップさせる、仕事中にぴったりなアロマを探している方も多いのではないでしょうか。当記事では、そのような方に向けて記憶力を高める効果を期待できるアロマやおすすめのアロマの活用法を紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
なぜ記憶力を高められるのか
なぜ香りを嗅ぐだけで記憶力を高められるのでしょうか。その理由としては、脳と嗅覚の関係がかかわっています。嗅覚は五感の中で唯一大脳新皮質を通さずに大脳辺縁系に伝わる感覚です。大脳辺縁系には一時記憶を行う海馬、そしてその海馬の働きを強めたり弱めたりする扁桃体があります。アロマの香り成分はこの偏桃体にダイレクトに働きかけることで記憶をサポートしているのです。
効果のあるアロマ
アロマの種類によって期待できる効果は異なるため、アロマの種類を選ぶ際にはそれぞれの効果に着目する必要があります。以下の4種類のアロマは、記憶力を向上させるといわれています。ぜひ参考にしてください。
- レモン
- ローズマリー
- ラベンダー
- オレンジスイート
レモン
強い酸味のある果実として知られているレモンには、記憶力を高める効果があると言われています。記憶力向上のほか、集中力や理解力の向上、リフレッシュなどの効果もあるとされているので、仕事や勉強の気分転換にぴったりなアロマです。香りはフレッシュな柑橘系で、果物のレモンよりもマイルドであるのが特徴です。刺激が強めであるため、直接皮膚に使う場合、敏感肌の人は低濃度で使用する点、また光毒性があるため使用後は日光に当たらないようにする点には注意しましょう。
ローズマリー
ローズマリーは消臭・殺菌にもよく使われるハーブの一種です。爽快感と清涼感があるすっきりとした香りが特徴です。記憶力アップ以外にも、リフレッシュや集中力向上、注意力向上、眠気覚ましなど、勉強や仕事中にうれしい効果がたくさんあるとされています。また、ストレス由来の疲労の解消や無気力感・無力感の解消に役立つといわれているため、ストレスの多い社会人におすすめです。
ラベンダー
ラベンダーは、「万能精油」と呼ばれるほど体への効能が高いといわれているアロマです。不眠や頭痛、肩こりなど、体の不調があると、思うように作業がはかどりませんよね。そんなときには、ラベンダーのアロマを取り入れるとよいでしょう。安眠効果の高いハーブとして有名なので、仕事中や勉強中には向かないように思えますが、心を落ち着けてストレスを緩和してくれるので、リラックスして仕事や勉強に取り組めるでしょう。フローラル系の柔らかい香りで、どんなアロマとも相性が良いので、ブレンドして使うのもおすすめです。
オレンジスイート
オレンジスイートは、みずみずしく甘酸っぱい香りが特徴で、大人から子どもまでどんな人にも好かれやすいアロマです。成分の90%以上を占めるリモネンには交感神経を刺激する作用があり、リフレッシュや眠気覚ましなどの効果を期待できます。また、オレンジスイートには不安やストレス、うつを改善し、心を落ち着かせる効果もあると言われているので、「不安で作業が手につかない」という場合にも効果的でしょう。ちなみに、オレンジにはオレンジスイートとオレンジビターの2種類があり、オレンジビターはオレンジスイートよりも苦味があるのが特徴です。
どんな時に使う?
記憶力向上の効果を期待できるアロマには、さまざまな種類があることがわかりました。では、上記で紹介したアロマをより効果的に活用するには、どのような場面で使うのが良いのでしょうか。
勉強している時
まずは勉強をしているときです。勉強をはかどらせるためには、記憶力や集中力が欠かせません。そこで、アロマを勉強中に取り入れて記憶力や集中力を向上させ、効率よく勉強しましょう。また、試験前の焦りや緊張もアロマの香りによって落ち着かせることができます。
仕事している時
記憶力を向上させることで、仕事の効率も上げられます。近年はリモートワークを取り入れている企業が増えているので、仕事中にアロマを取り入れるのも良いでしょう。また、オフィスや施設で使える業務用のディフューザーもあるので、オフィスワークの方も導入を検討してみてはいかがでしょうか。
活用の仕方
アロマにはマッサージやアロマバスなどさまざまな使い方があります。では、記憶力向上のために使う際には、どのような使い方が適しているのでしょうか。
芳香浴
先ほど説明したように、アロマによる記憶力向上の効果を最大限生かすには、勉強や仕事の最中に使用するのがおすすめです。そのため、アロマの使い方としては片手間でもアロマの香りを楽しめる芳香浴が最適でしょう。芳香浴とは空間全体に香りを拡散し、香りを楽しむことを言います。芳香浴にはスプレーをカーテンに吹きかけたり、ハンカチに垂らして使ったりするなど、さまざまな方法がありますが、ここではアロマディフューザーとアロマストーンを紹介します。
アロマディフューザー
アロマディフューザーとは、アロマの香りを拡散させる器具のことです。精油の瓶をセットして使うタイプ、水と一緒にしてミストを噴出させるタイプ、スティックを指して使うリードディフューザータイプなどさまざまな種類があるので、インテリアとの調和や設置スペースを考慮して、お好みのアイテムを選びましょう。ディフューザーを置く場所は、ほどよく空気が動き、直射日光が当たらない場所がおすすめです。また、液だれの可能性があるためディフューザーの下にトレーなどを敷くことをおすすめします。
アロマストーン
アロマストーンとは珪藻土やセラミック、素焼きなどでできた石のことです。精油2~3滴を垂らして使います。精油は自然に揮発するため、お手入れもティッシュでふき取るだけと、とても簡単です。ディフューザーと比べ、倒して液をこぼすリスクがない点、コンパクトで持ち運びがしやすい点はメリットだといえるでしょう。ただし、ディフューザーよりも香りの範囲が狭いため、仕事中や勉強中に使うのであればデスクなど、すぐそばに置くほうが良いでしょう。精油は家具や布に使うとシミになったり、変質させてしまったりする可能性があるので、使用する際には必ず受け皿を用意してください。
まとめ
アロマの香りは記憶をつかさどる大脳辺縁系に直接働きかけるため、記憶力向上に効果があるとされています。アロマの種類によって期待できる効果は異なるため、アロマを選ぶ際にはアロマが持つ効能も調べましょう。記憶力をアップさせたいのであればレモンやローズマリー、ラベンダー、オレンジスイートがおすすめです。また、アロマによる記憶力向上の効果を最大限に生かすためには、勉強や仕事の最中にアロマディフューザーやアロマストーンを使って芳香浴を行うのがおすすめです。
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