香りで癒されるアロマ、一度試してみたいと思っても、香りの種類や効果が豊富で何を選べば良いのか迷ってしまいますね。アロマオイルを選ぶときには「好きな香り」「心地良く感じる香り」「香りが持つ効果」に注目してみると選びやすいですよ。今回は香りを代表的な8種類のグループに分けてご紹介します。お好みの香りが持つ効果と合わせてお読みください。

代表的なアロマオイルをご紹介

香りは嗅覚を介して本能にダイレクトに伝わるため、一瞬にして脳が活性化して感情がリセットされます。そのため、使用する香りによって私達の心が感じる変化や体に現れる効果にも違いがあります。ここでは香りを大きく8つのグループに分けて、その特徴や効果を説明しましょう。

とっておきの癒しタイムを、アロマの香りでお楽しみくださいね。

フローラル系

フローラル系は、主に植物の花から抽出された香りです。フローラルとは英語で「花のような」という意味があり、ほんのりと甘く華やかな香りがします。心を落ち着かせたい、安心感が欲しいというリラックスタイムにおすすめで、気分転換にぴったりの香りです。

上品な雰囲気

香りは甘く優しく、それでいて濃厚。また、華やかなものからセクシーさを感じる香りまで幅広く、ラグジュアリーな気分にしてくれるのがフローラル系の特徴です。

香りの種類はさらに、

  • シングルフローラル
  • フローラルブーケ
  • フローラルアルデハイド
  • フロリエンタル

の4つに分類されます。

シングルフローラル

「特定の花の香り」の意味があるシングルフローラルは、1種類の花の香りをシンプルに楽しみたい時におすすめです。しかし、使用されている花は1種だけではありません。特定の花の香りが引き立つように、調香された香りです。

フローラルブーケ 

フローラルブーケは複数の花を思わせる香りで、花束をイメージすると分かりやすいでしょう。ベルガモット、ローズ、ラベンダー、ジャスミンなどを主体にして、他の花を組み合わせると華やかな印象が受けられます。新しいイメージづくりをしたい時にもおすすめの調香で、ストレス緩和やリラックス効果に期待ができます。

フローラルアルデハイド

フローラルアルデハイドは、フローラルの香りに合成香料「アルデハイド」を合わせた香りです。アルデハイド単体は良い香りとは言えませんが、ジャスミンやローズなどと合わせると花の香りがより一層引き立ち、香りを奥深くしてくれます。一般的にはフローラルブーケと組み合わせ、モダンで都会的な香りに調香されることが多いようです。

フロリエンタル

オリエンタルの香りとフローラルの香りを融合させて生まれたのが、フロリエンタルの香りです。軽やかでありながら優雅で大人っぽい香りは、エキゾチックな雰囲気を醸してくれます。

柑橘系

柑橘類の果皮から抽出された柑橘系の香りは、アロマテラピー初心者からも大人気。なじみやすく、癖のない香りが好まれています。

爽やかな香りで気分のリフレッシュ

オレンジやレモン、グレープフルーツなどでもよく知られる、すっきりとしたフレッシュな香りは、気分が落ち込んでいるときや、気分転換したい時におすすめです。リモネンによる作用が緊張感や不安を取り除き、元気にしてくれます。

柑橘系のアロマオイルを使用する場合には注意点があります。柑橘系は酸化しやすいため、必ず直射日光の当たらない冷暗所で保管しましょう。また、開封後は3ヶ月から半年を目安にして、なるべく早めに使い切るようにします。種類によっては光毒性を持つものがあり、肌についた状態で紫外線に当たると肌トラブルを起こす可能性があります。使用した場合は5〜6時間は外出を避けておくと安心です。オレンジのみ光毒性がありません。

オレンジ

さわやかで甘くフルーティな香りのオレンジは、リラックス、リフレッシュ効果に期待ができ、ストレスや不安からくる神経の緊張を緩和してくれます。親油性のあるリモネンを含んでいるため、キッチンの油汚れにも効果的です。ディフューザーで部屋全体に拡散すると、空気清浄作用で空間をスッキリとした印象にしてくれます。

レモン

レモンはスッキリとした香りで眠気を払い、集中力を高めたい時におすすめです。主成分の70%はリモネンであり、リラックス作用に優れているため、心身を活性化させる働きがあります。抗菌作用を活かしてキッチンなどの水回りの掃除に使用すると、スッキリとした香りと仕上がりに気持ちもリフレッシュしますよ。

ゆず

日本料理の薬味や風味付けに欠かせないゆずは、リラックス効果が期待できる香りです。仕事などで失敗して気持ちが沈んでしまった時などには、ゆずの香りで気分転換しましょう。引き締まるような香りは、元気を与えてくれる一方でリラックスしたい時にも有効です。

ライム

緑色の果皮から抽出されるライムはやや苦味がある、爽やかでフレッシュな香りです。スッキリとした清涼感もあり、テスト勉強や大切な会議など、集中力をアップしたい時に使用すると活躍します。ほかの香りとの相性も良いため、ブレンドしてオリジナルな香りを作ってみても楽しめそうですね。

ベルガモット

フルーティな香りで知られるベルガモットは、世界初の香水の原料であり、紅茶のアールグレイの香り付けにも使用されています。「リモネン」「リナロール」「酢酸リナリル」といった芳香成分を多く含み、鎮静作用に優れています。ベルガモットには光毒性があるため、肌に触れた後はしばらく紫外線に触れないように注意が必要です。

グレープフルーツ

フレッシュで甘酸っぱく、それでいて少し苦味があるグレープフルーツの香りには、「リモネン」や「ヌートカートン」の芳香成分が多く含まれています。これらが交感神経を活発にすることで食欲抑制や代謝アップ、脂肪燃焼効果が期待できるため、ダイエットにも有効です。スッキリとした香りは脳を活性化させる働きがあり、気持ちの切り替えやリフレッシュをしたい時におすすめです。

スパイス系

香辛料から抽出されたスパイス系は、ピリリとした辛味のある香りが特徴的です。クセがあるため、柑橘系やフローラル系とブレンドしたほうが使いやすいでしょう。また、他グループの香りのアクセント付けにもおすすめです。

心を穏やかに落ち着かせる

スパイス系の香りにはパンチがあり、気分を盛り上げてやる気を出したい時にぴったりです。不安を解消して、心穏やかに落ち着かせるように作用します。

シナモン

シナモンは甘くピリッとした、スパイシーな香りです。ニッキの香りといったほうが馴染み深いかもしれませんね。刺激作用や強壮作用があり、ネガティブな考えを前向きにする効果に期待ができます。加温作用による体温上昇、鎮痛作用、また消化器系にも働きかけ、腸の働きを活発にしてくれるので便秘解消にも効果的です。

ジンジャー

スパイシーで温かみのあるジンジャーは、決断力を向上させ、チャレンジしたい気持ちを後押ししてくれます。加温作用により体温を上昇させ、活力アップにも効果的です。

クローブ

クローブはとても強くスパイシーな甘さが印象的な、熱帯地方を原産とする植物です。中国では「丁子」と呼ばれ、漢方薬として使用されています。主成分の「オイゲノール」を70%以上含み、抗菌・抗ウイルス作用、鎮痛効果に期待ができるほか、活力を与え、やる気を高めてくれる香りです。

胡椒

香辛料として有名な胡椒は「モノテルペン類」を多く含み、爽やかさと刺激的な苦味を持つ香りです。体温を上げて消化吸収を助ける働きがあり、血行促進効果が期待できます。

樹木系

木の枝、幹、葉から抽出される樹木系の香りは、まるで緑の中にいるように広大で落ち着いた気持ちを持たせてくれます。

清潔感があり、リラックス効果も高い

森林浴をした時、心のもやもやが晴れて、気分が良くなった経験はありませんか?森林浴で自然のエネルギーをたっぷりと浴び、身体の中に吸い込むと、清々しい気分になれるのです。自宅にいながら緑の香りでリフレッシュできる樹木系の香りでゆったりと過ごしましょう。

ユーカリ

ユーカリはスーッとした鼻に抜ける爽やかな香りが特徴で、鼻や呼吸器のトラブルに効果的です。風邪や花粉症などによるつらい鼻詰まりなどの症状に使用すると、粘膜の炎症を抑え、アレルギー症状を和らげる効果を期待できます。ユーカリだけでは香りが強すぎると感じた場合には、オレンジなどの香りとブレンドすると和らぎますよ。

ティーツリー

「テルピネン4オール」を含むティーツリーは、抗菌・抗ウイルス作用に優れたアロマで、インフルエンザなどのウイルス流行時期に使用したい香りです。爽やかな香りが空間にただようため、ディフューザーで部屋全体に拡散すれば空気清浄としても活用できます。消臭効果やリフレッシュ効果にも期待できるアロマです。

サイプレス

ウッディな香りで知られるサイプレスは、心の落ち着きを取り戻したい時にぴったりなアロマです。ストレスによるイライラや緊張で高ぶった感情を鎮めたり、呼吸を整えたい時に有効です。ほかにも収れん作用に優れていて、肌の引き締めや炎症、多汗を抑える働きもあります。

シダーウッド

シダーウッドの「シダー」とは針葉樹を意味し、心を浄化してくれそうな特徴のある香りです。不安や感情の高ぶりを抑える働きがあるため、気持ちを落ち着かせたい時に使用すると良いでしょう。また、脳を活性化させて気分をスッキリとさせ、やる気や集中力を高める効果に期待ができます。

ハーブ系

ハーブ系は主に植物の葉から抽出されたアロマオイルで、薬草やハーブなどのグリーン系の香りがします。スーッとした清涼感があり、リラックス効果に優れた香りです。

爽やかな香りでリラックス

ハーブ系の香りは爽やかでスッキリとした特徴があり、リビングなどで使用するとリラックス空間ができあがります。呼吸器系にも作用するものが多いため、アロマディフューザーで芳香浴を楽しんだり、キャリアオイルで希釈してマッサージしたりすると効果を期待できるでしょう。

バジル

古くから薬草として使用されてきたバジルは、甘みのあるスパイシーな香りが特徴です。自律神経のバランスを整え、ストレスや不安を和らげてリラックスできるように作用します。

ペパーミント

抗菌・抗真菌作用があるペパーミントは、日常の掃除にも使用できる優れものです。爽やかな香りで脳を活性化させ、心に元気を与えてくれます。すっとした爽快感で体感温度を下げてくれるため、暑い日にぴったりです。

メリッサ

清涼感がある香りのメリッサは、レモンバームの名でも知られるアロマです。感情の抑圧効果が期待でき、不安や憂鬱を解消に導き、心を穏やかにしてくれます。鎮痛作用も持ち合わせているため、筋肉の疲労などの痛みに関しても有効です。

ラベンダー

アロマを代表する香りといえば、ラベンダーですよね。フローラルな香りでふんわりと包みこむような優しい香りには、誰しも馴染みがあるでしょう。抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用のほか、香りを嗅ぐと心が落ち着き、気分が軽くなったように感じられるはずです。不眠でお悩みの方は、枕元にラベンダーの香りを置いておくと眠りにつきやすくなりますよ。

カモミール

カモミールは抗菌作用・抗アレルギー・抗ウイルス・鎮静作用・安眠効果など、多くの効能と効果を持つアロマです。それゆえに「マザーハーブ」という別名があります。カモミールにも粘膜の炎症を緩和する働きがあり、かゆみを軽くしてくれるため、花粉症対策におすすめです。

樹脂系

樹脂系の温かみと濃厚さが特徴の香りは心を癒やし、気持ちを落ち着かせたい場面におすすめです。

甘く濃厚な香りが多く、心が癒される

樹脂系の香りは個性的で穏やかな印象があり、持続性が高いため、ゆったりと癒やされるような気分が楽しめるでしょう。粘度が高く、保湿効果が期待できるため、ハンドクリームなどに使用される香りとしても有名です。

フランキンセンス

フランキンセンスは「オリバナム」という別名を持つ乳白色の樹脂です。甘く気品のある香りは女性特有の不調をサポートする作用や、不安やストレス、うつなどの症状緩和にも有効で、心を平穏に保つように働きかけます。また、シワやたるみ、手荒れ、妊娠線などの予防にも活用できます。

ベンゾイン

バニラのような香りがするベンゾインは、「安息香(あんそくこう)」の別名を持つアロマです。精神疲労や呼吸器系トラブルに作用し、うつや不安症、不眠の解消効果を期待できます。幸福感を与えてくれる甘く濃厚な香りです。

ガルバナム

フレッシュさがあるガルバナムの香りは、感情の高まりを抑えきれない時や、心のバランスを保ちたい時におすすめの香りです。古代エジプトではミイラの防腐剤として使用されていました。個性が強い香りのため、単体よりも他の香りとブレンドするほうが好まれています。

ミルラ

お香を思わせる独特の香りのミルラは、「マー」や「没薬(もつやく)」の名でも呼ばれるアロマです。殺菌・防腐・乾燥作用を持ち、こちらも古代エジプトでミイラの保存に使用されていました。現在は気分の落ち込みや不安症、精神疲労などに作用し、神経を鎮静させる働きが注目されています。

動物系

現在香料の原料として用いられている動物性香料はわずか4種類で、ムスク、アンバー、シベット、カストリウムです。これまでにご紹介してきた植物系アロマとは違い、動物系は希少価値や持続性が高い香りとして知られています。しかし、世界的な条例や規制の存在からピュアなオイルは生産が難しいとされています。そのため、現在の動物系香料のほとんどは合成香料です。

官能的で重めな香りがあり、強心作用なども

動物系の香りには、興奮作用や強心作用などが期待できるとされ、かつては気持ちをポジティブにしたり、落ち着かせたりする療法に使用されていました。現在も心身に作用し、疲れや緊張を解き、リラックスできると人気の香りです。植物の精油にはない、官能的で異性を惹きつけるような、特別な魅力があります。

ムスク

動物系を代表するムスクは、甘くてパウダリーな香りです。本来はオスのジャコウジカからとれる分泌物を原料としますが、今では絶滅危惧種となっているため、天然香料はほとんど存在しません。アルコールで薄めて精製された、ムスクの香りに似せた合成香料が使用されています。

メスを誘惑する香りと言われるムスクは、クレオパトラにも愛された魅惑の香りとしても知られています。

アンバー

アンバーは「竜涎香(りゅうぜんこう)」とも呼ばれる、マッコウクジラの腸内結石です。ムスクに似た甘い香りで大人っぽい印象がありますが、現在はほとんどが合成香料です。

シベット

ジャコウネコの生殖器近くの分泌物を乾燥させたシベット「霊猫香(れいびょうこう)」。精製前は糞尿や加齢臭に似た臭いがしますが、アルコールなどで薄めるとムスクのような香りになります。効能は滋養強壮、肉体疲労改善にあるとされ、栄養ドリンクにも含まれているほどです。

カストリウム

ビーバーの肛門近くにある香嚢からとれるカストリウム「海狸香(かいりこう)」。カストリウムはつけた香りを長持ちさせる保留効果や、より花の香りを強める効果を持ち合わせているため、クレオパトラは媚薬として体に塗っていたという逸話が残っています。

マリン系

マリン系は夏場につける代表的な香りと言えるでしょう。甘さ控えめで夏にふさわしい、爽やかな印象ですが、匂いが強く、好き嫌いがはっきりと分かれる香りでもあります。季節感を意識する人には人気があり、海をイメージしたアクアノートやオゾンノートが有名です。

海の香りをイメージした人工香料

マリン系の香りには天然精油は存在しません。「Calone =カロン・キャロン」と呼ばれる合成香料から、水や海を連想させる香りが作られています。

軽やかで爽やかなイメージの香りが多い

夏にふさわしいマリン系の香りは、海や水を連想させるほか、軽やかで爽やかなイメージのものが多くあります。たとえば、

  • スイカやメロン、きゅうりなどの瓜の香り
  • 海や海藻などの潮臭さを想起させる香り
  • 透明感のある水の香り
  • オゾン系の爽やかな香り

です。海の匂いと言っても実際に海水を使用するのではなく、調香師の感性から生まれる香りであるため、バリエーションが豊富です。

香りをブレンドすることによって、よりイメージ通りの香りを作れる

アロマを楽しみたいけれど「これ!」と思う香りが見つからない場合には、香りをブレンドしてみましょう。ブレンドは難しいと思われがちですが、「精油の香り系統」や「相性」「揮発度(香りの持続性)」をうまく組み合わせると、イメージ通りの香りをつくることができますよ。

他にはないオリジナルの香り

香りのブレンドでは、オンリーワンの香りが作れるのが最大の魅力です。

  • つくりたいイメージを具体的にあげる
  • ブレンドする香りはなるべく同じタイプから選ぶと相性が良い
  • 香りの印象が似ている種類を選ぶ

この3つをおさえておくと、オリジナリティあふれる香りが完成しますよ。

ほしい効果によって香りを決められる

香りは私達の心身にさまざまな変化を与えてくれますが、そのなかから欲しい効果を持つ香りを選んでブレンドできる点は大きな魅力です。使用場所や欲しい効果など、条件を満たす香りをブレンドして、オリジナルの香りをお楽しみください。

香りで空間を作りたいならインプルーブにおまかせ!

アロマオイルには数多くの種類があります。今回ご紹介した香りはほんの一部で、イメージする香りにもっと近づけるためには、やはり香りのプロに相談してみるのが一番です。インプルーブではさまざまな店舗やオフィス、施設で香りをプロデュースしています。空間の広さや目的、ニーズに合わせたオリジナルの香りの調合から、導入・アフターケアまでをトータルサポートし、ご満足いただける香り空間の提供をお約束いたします。アロマに関するご相談は、お気軽にインプルーブまでお問い合わせください。