忙しい毎日の中でほっと一息落ち着きたい時に、香りを取り入れる人が増えています。くつろぎ空間の中にお好みの香りを取り入れてリラックスすると、疲れも和らぐでしょう。リラックスタイムのお供に使うアロマオイルには、どのような香りを選ぶと良いのでしょうか。

この記事では、落ち着きたい時に取り入れたいおすすめの香りを7つ紹介します。ぜひお気に入りの香りを見つけてみてください。

香りでなぜ落ち着くのか

アロマオイルの香りを感じると、なぜ気持ちが落ち着くのでしょうか。これには人間の行動に欠かせない自律神経が深く関係しているのです。香りと自律神経の関係を詳しく解説します。

自律神経に働きかける

人間には、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感が備わっています。アロマオイルの香り(嗅覚)は、五感のうち大脳辺縁系に直接作用する唯一の感覚です。

大脳辺縁系は大脳の深部にある箇所であり、欲求や感情などの情動とも深く関係していることから「情動脳」とも呼ばれています。大脳辺縁系の中に「海馬」という部位があり、記憶を司る役目を果たしていますが、香りの感覚は海馬へダイレクトに伝わります。この働きによって香りの記憶は鮮明に残りやすく、嗅覚は五感のうち人間の本能が最も分かりやすく現れる感覚だと言われているのです。

嗅覚は大脳辺縁系から脳に伝わったのちに視床下部へと伝わります。視床下部は自律神経をはじめ、免疫の働きやホルモン分泌を調節していることで、自律神経に直接働きかけます。この状態から嗅覚は心や体に直接働きかけるため、自律神経を整え、全身を良い状態に導いてくれるのです。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキの働きを持っており、双方のバランスを保つことで心身のバランスが取れ、健康な生活ができるようになります。

しかし、ストレスが強くかかると、2つの神経のバランスが崩れ、自律神経の働きの低下を招きます。交感神経が優位になり、体が緊張した状態が長期間続くと、心身に大きなダメージがかかる原因となります。鎮静作用を持つアロマオイルを取り入れ、副交感神経を刺激すると、バランスが取れるようになるのです。

おすすめの香り

疲れが溜まっていると感じたときやイライラを解消したいときなど、落ち着きたいときにアロマオイルの力を借りるには、どのような香りを選ぶと良いのでしょうか。ここからは、落ち着きたい時におすすめの香りを7選紹介します。

イランイラン

インドネシア・フィリピン・マダガスカルなど、熱帯地方で多く見られる常緑高木です。イランイランとは、タガログ語で「花の中の花」という意味を持ちます。5cmほどの花が咲き、咲き始めの段階では緑色をしています。成熟するにつれて黄色に変わり、香りが強くなっていきます。

イランイランの香りは「フローラル」と表現され、南国をほうふつとさせる華やかで甘い香りが特徴です。イランイランに含まれる成分「β-カリオフィレン」は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌をサポートすると言われています。女性特有の体調変化や症状の緩和が期待できるアロマオイルです。

また、副交感神経を優位にすることで血圧を下げる作用もあり、動悸や高血圧などの改善も期待できます。リラックス効果も期待でき、ストレス軽減につながるでしょう。

ラベンダー

アロマオイルの中でもなじみ深く、フレッシュかつフルーティーな香りを持ち、最も多く使われるオイルのひとつです。用途が幅広いため「万能精油」と呼ばれています。育てやすいハーブの代表格であり、日本でもラベンダー畑を楽しめるスポットが増えているほどです。鉢植え・プランター・花壇・コンテナ栽培などでも育てることができます。日本で栽培されるラベンダーの大半は紫色ですが、海外では黄色や白などのラベンダーも見られます。

ラベンダーはリラックス効果・抗不安作用・抗菌作用・安眠効果など、さまざまな効果を期待できるアロマオイルです。特にリラックス効果が大きく期待できるとされていますが、これはラベンダーの香りが脳波のα波を増加させる作用を持ち、副交感神経のはたらきが優位になるためです。

レモン

柑橘系アロマオイルの代表であり、フレッシュなレモンそのものの香りを楽しめます。レモンの皮に含まれるリモネンには鎮静作用があるとされ、冷静な気持ちを取り戻したいときや集中したい時に効果を発揮します。

また、レモン特有の爽やかな香りは気分を一新し、明るい気持ちにさせてくれます。仕事や勉強に向けて意識を高め、心身の活性化により理解力や記憶力の向上も期待できます。

レモンは身体面や肌への効果も期待できるアロマオイルです。血行を促すことで、むくみや冷えの改善、肌細胞の新陳代謝活性化などにも役立ちます。抗ウイルス作用の働きにより、ウイルス系の病気を防ぐ際にも効果的です。

ローズマリー

ローズマリーはしそ科の植物のひとつで、主に地中海沿岸で自生しています。「若返りのハーブ」と呼ばれ、清涼感のある香りを持つ美しいブルーの花が特徴です。ケモタイプを持つローズマリーは、ローズマリーカンファー、ローズマリーシネオール、ローズマリーベルベノンの3種が主に出回っています。

ケモタイプにより、香りの感じ方が若干異なるものの、ローズマリーの香りは脳内の血液循環を促進します。この働きで脳が活性化され、記憶力や集中力を高める効果が期待できます。さらに、血行が促進されることで目の疲れや肩こりなども緩和され、リフレッシュ作用もあるのです。

マッサージオイル向けに希釈して使うと、血行だけでなくリンパの流れも良くなり、冷えや筋肉のこりの解消にもつながります。

ベルガモット

紅茶のアールグレイの香り付けに使われており、オレンジとレモンの中間の香りを持つイタリア原産の柑橘類です。食用ではなく、果物の果皮から香料としてオイルが抽出されます。

ベルガモットのアロマオイル成分は、ラベンダーと共通している成分が多いものです。なかでも酢酸リナリルやリナロールなどの成分は鎮静作用を多く含んでおり、ストレスや精神的な疲労を軽減する効果を期待できます。

また、ベルガモットはうつ症状の緩和にも効果的です。「天然の抗うつ剤」と呼ばれるほどの効き目があり、明るく前向きな気持ちを持てるように導いてくれます。安眠を誘う作用も持っており、リラックスした気持ちで熟睡できるようになります。

ローズ

「花の女王」もしくは「香りの女王」と呼ばれるローズは、華やかな見た目と鮮やかな色により、古くから愛の象徴と言われています。数あるローズの種類の中で、一般的にローズ・ダマスクローズが使われています。

ローズの優雅な香りは、緊張やストレスを和らげる効果が期待できます。また、脳内ホルモンのひとつであるオキシトシンの分泌を促す作用もあります。オキシトシンは幸せホルモンとも呼ばれており、自律神経のバランスを整えるホルモンです。

身体面に対しては、女性ホルモンのバランスを整える作用を持っています。年代ごとに訪れる女性の体の悩みを改善するのに、ローズのアロマオイルを取り入れる場面も増えています。

ペパーミント

日本では西洋ハッカとも呼ばれる植物であり、食料や薬用として古くから使われているハーブです。鼻通りが良くなる刺激的な香りが特徴なのは、メントールが50%から60%含まれているためです。

メントールの成分が持つ冷却効果により、精神的疲労を落ち着かせてくれる効果が期待できます。また、ペパーミントの香りは体感温度を4℃下げると言われ、夏の暑さをしのぐ場でも使われています。爽快感のある香りで、リフレッシュ効果も期待できます。

他にも、緊張を和らげたり脳を活性化させたりする効果もあり、考え事をするときにおすすめです。

まとめ

ここでご紹介したアロマオイルは、どれも自律神経の働きを整え、心が穏やかになる作用を持ったものばかりです。ご自身の好みの香りと照らし合わせて、ぴったりのアロマオイルを探してみてください。

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