仕事や家事などの効率を高めたいとき、集中力アップは効果的な方法のひとつです。アロマを使うことで期待できる効果のひとつに、集中力の向上効果が挙げられます。
アロマの種類は多岐にわたっているため、集中力を高めるのにどのアロマを選んだら良いのか、迷う人も多いでしょう。この記事では、アロマを使うとなぜ集中力が高まるのか、またどのアロマを選んだらよいかなど、アロマを使った集中力の高め方について解説します。
アロマで集中力が高まる理由
アロマを使うと、なぜ集中力が高まるのでしょうか。最初にアロマと集中力の関係について理解を深めましょう。
緊張感を和らげてくれるから
集中力を高めるポイントとして、自律神経が大きく関わっています。自律神経は、人間の体温・代謝・内臓の働きなどをコントロールしている神経系です。これらはみずからの意思で調節できるものではなく、自律神経によって無意識に調節されています。
自律神経にはアクセルの役割を果たす交感神経と、ブレーキの役割を果たす副交感神経の2種類があります。体調不良だけではなく、生活習慣・ホルモン・天候などの乱れや、精神に受けた大きなダメージなどは、いずれも自律神経のバランスが乱れる原因となるのです。
アロマから発せられる香り成分は、人間の五感のひとつである嗅覚に働きかけ、脳内にある大脳辺縁系の視床下部や下垂体に直接届きます。これらの部位は、自律神経を司る機能を持っているため、アロマの香りが自律神経のバランスを整えることで、緊張感を和らげる効果が期待できるのです。
気分をリフレッシュさせてくれるから
アロマに含まれる香り成分は、自律神経を通して身体全体のバランスも整えてくれます。バランスが回復すると、副交感神経の働きが活発になり、気分もリフレッシュできるようになります。
アロマの香り成分が人間の嗅覚に働きかけると、頭で考えるよりも早く心や身体に作用し、全身を良い状態に整えてくれます。視覚や聴覚など、嗅覚以外の五感は、先に言語や思考を司る大脳新皮質へ伝わるため、先に頭で考えてしまう点が大きな違いです。
アロマの香りによって気分をリフレッシュできると、心が無意識のうちに疲れていたことを自覚できるでしょう。日頃頑張っている自分を労わってあげたいときにも、アロマは高い効果が期待できる芳香療法なのです。
おすすめのアロマ
ここからは、集中力を高めたいときにおすすめのアロマを紹介します。なお、実際にアロマを購入するときには精油100%のものを選ぶと、さらに高い効果を期待できます。
ローズマリー
ハーブの一種で、シソ科に属している植物です。自然の緑を感じる香りを特徴とし、新緑の時期に青々と生い茂る若葉や若草に似たフレッシュなイメージを持つ香りです。ハーブの特徴である爽快感も強く感じられます。
自律神経のひとつである交感神経を刺激し、体の機能を高めながら自律神経を整える効果があります。仕事や勉強のシーンに多く取り入れられている香りで、心地良い刺激が頭をスッキリとさせ、集中力を高める効果を期待できます。
ペパーミント
鼻通りが良くなるほど、清涼感のあるすっきりとした香りが特徴です。日本ではセイヨウハッカとも呼ばれるハーブであり、古くからアロマ以外にも食用や薬用として活用されています。
ハーブ独特の清涼感には脳の働きを活発にする効果があり、眠気覚ましだけではなく精神的な疲労回復にもつながります。その他にも、胃腸の働きを整える作用や頭痛・筋肉痛の緩和などにも使われるほど、ハーブの効用は多岐にわたっているのです。
ユーカリ
コアラの食べ物以外に、観葉植物として人気が高まっているユーカリの葉っぱからも、オイルが抽出できます。ユーカリのオイルには複数の種類があり、そのうち代表的なオイルは3種類あります。すっきりとした強い香りを持つグロブルス、穏やかでありながら清涼感を持つラディアータ、レモンに似た酸っぱさと甘さを持つシトリオドラの3種類です。
全ての種類のユーカリオイルが殺菌効果や抗炎症作用を持っているほか、シャープな香りで頭の中をすっきりとさせ、集中力を高める効果も期待できます。
レモン
香りは、果物のレモンそのものであり、爽やかでフレッシュな香りは心身をリフレッシュしてくれます。この効用により、集中力を高めたいときだけではなく、冷静になりたい場面にもぴったりです。さらに、抗菌および抗ウイルス作用もあり、室内空間の除菌、また抗菌による空気の浄化にも有効と言えます。
他にも、血行を促進してくれることでむくみや冷えの改善につながったり、肌の新陳代謝を活性化させたりする効果も報告されています。
ライム
ライムは、形がレモンとよく似ている果実であり、柑橘系に多く含まれるリモネンが主成分です。リモネンには神経バランスを正常に保つ働きを期待でき、心を落ち着かせたり、頭をシャキッとさせたりしたいときに使われます。気持ちを切り替えたいときにも、ライムの作用が働き、集中力アップの効果を期待できます。
抗ウイルス作用や解熱作用もあり、発熱や呼吸器系の不調などに働きかけるほか、消化液の分泌を促す作用があります。
おすすめの活用法
アロマを実際の生活で活用するには、どのような方法が効果的なのでしょうか。ここでは、特におすすめしたい活用法を5つ紹介します。
アロマバス
湯船にお湯を張ってアロマを入れ、アロマバスとして楽しむと、呼吸器から芳香成分を体内に取り入れられるのと同時に、肌からも微量の成分が体内へと浸透します。アロマオイルの働きに入浴による温熱効果やリラクゼーション効果が加わり、心と体の両面から高い効果が期待できるのです。
お好みのアロマオイルを3滴から5滴程度、5ml程度の無水エタノールに混ぜてからバスタブに落とし、かき混ぜてからお湯に浸かりましょう。眠気を覚まして集中力を高めたい場合には、お湯の温度を40℃から42℃程度と少し熱めにすると良いでしょう。
アロママッサージ
疲れが溜まったと感じたら、アロママッサージによってリラックスすると、集中力を高められるようになります。アロママッサージをするときには精油を使用したアロマオイルを、症状や目的に合わせて選んだキャリアオイルで希釈します。キャリアオイルは、スクラワンオイルもしくはミネラルオイルがおすすめです。
アロマオイルとキャリアオイルを希釈したら、手のひら全体で包み込むようにして優しくさすったり、疲れが気になる部分を押したりして、マッサージをしましょう。
アロマスプレー
シュッと吹きかけるだけで手軽にアロマを体感できる使用法で、携帯にも便利です。心身のバランスを整え、集中力を高めてくれるだけではなく、選ぶアロマオイルによっては虫除け対策や消臭・抗菌対策などに活用できます。
アロマスプレーを作るには、容器にアロマと無水エタノールを入れ、軽く振って混ぜた後、精製水を加えてさらに混ぜれば完成です。精製水とエタノールは分離してしまうため、使用前によく振るようにしましょう。
吸入法
アロマの精油成分を鼻や口から体内へ吸入すると、呼吸器系の不調の緩和を見込めます。アロマを1滴から3滴程度お湯に落として、湯気と一緒に立ち上がる香りを体内に吸収しましょう。
長時間吸収すると粘膜を刺激する可能性があるため、短時間に抑えるようにしてください。また、お湯を誤って飲まないような注意が必要です。
ハーブティー
薬草としても使われるドライハーブを使って、ハーブティーを味わうこともできます。ティーカップ1杯に対して、ドライハーブを大さじ1杯(3gから10g程度)入れ、98℃前後のお湯を静かに注ぎ、蓋をして蒸らしたらハーブティーの完成です。
さらにドライハーブを楽しみたい場合には、煮出す方法もおすすめです。水500ccに対して大さじ1杯のドライハーブを入れ、沸騰したらとろ火で5分程度煮出しましょう。
まとめ
アロマは、仕事や勉強などで集中力を高めたいときに使えば効果を期待できます。アロマのパワーで、忙しいときにも集中力を高めて乗り切っていきましょう。
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