人によって食べ物やファッションに好みがあるように、アロマの香りにも好きと感じる香り、苦手だと感じる香りがあっても不思議ではありません。香りは記憶と密接に関係しているため、その香りとの関係を潜在意識にある何かが、自分自身へ語りかけているのかもしれませんね。この記事ではアロマの香りを苦手と感じる理由や、アロマ別に見る心身と香りの関係について解説します。

苦手な香りと感じる理由

どうしても受け入れられない苦手な香りは、好みだけの問題ではなく、きちんとした理由があります。香りが持つさまざまな作用や効果に期待をしてアロマを始めても、なぜか受け入れられずに不快に感じることも。その理由は、嗅覚は嗅いだ香りがその人の今の状態に必要か否かを嗅ぎ分け、即座に脳へと伝えられるからです。

嗅ぎ慣れていない

普段嗅ぎ慣れない匂いが自分の生活環境に入ってきても、まず本能は「これは危険なもの?」と感じて身構えてしまいます。これは自分の身を守るために働く本能によるもので、「安全なもの」と判断できるまでは自分のなかで、「苦手・嫌いな匂い」と判断されてしまうからです。同じ香りを何度か嗅ぐ機会があれば、好きになれる可能性もあります。

体が拒否している

アロマの香りにはさまざまな効果を期待できますが、その効能が体にとって危険であったり不要と感じたりした場合には、本能が香りを拒否してしまいます。しかし、苦手な香りと一時は感じても、体調によってその香りの効果が必要になった時には、感じ方に変化が現れることがあるのです。

心が拒否している

香りを苦手と感じる理由としては、心が拒否している場合も考えられます。たとえば、自分ではすっかり忘れていても、過去にその香りを嗅いで嫌な思いをしたことが潜在意識のなかに残っていれば、心はその香りを受け付けてはくれないでしょう。

苦手な香りの意味

嗅覚は五感の中で唯一、脳へ直接刺激を届ける感覚であるため、最も本能につながりが深いと言われています。そのメカニズムから紐解くと、自分自身が気付いていない心と体の変化を、「脳が香りを通して知らせてくれている」と捉えても良いのではないでしょうか。つまり、「特定の香りが苦手」と感じる理由は、「その香りが嫌いだから」ではなく、「今は必要ないから苦手(不要)」と考えられるのです。ここでは、アロマの種類ごとの特徴と苦手に感じる意味を見ていきましょう。

フローラル系

フローラル系は植物の花びらから抽出される、甘くて優しい花の香りです。バラやジャスミン、ローズ、ゼラニウムなどの香りがよく知られていて、気持ちを落ち着かせて癒やしや安心感を与えてくれます。

癒しがある(癒しが足りているので必要ではない)

フローラル系の香りには自律神経のバランスを調節する働きがあり、不安や心配を抱えた心を癒やしてくれます。また、鎮静作用によって心が落ち着くと、リラックスできてぐっすりと眠りにつける安眠効果に期待ができます。仕事もプライベートも充実していれば、アロマの癒やし効果は必要ないと心が感じているのでしょう。

安心感がある(安心感が足りているので必要ではない)

フローラルの香りは親しみやすく安心感があることから、特に女性に人気です。気持ちに余裕がない時には、よく知っている花の香りに包まれると安心できてとても心地よく感じられますが、満たされている場合は必要ありませんね。

スパイス系

 

スパイス系の香りはシナモン、ジンジャー、ブラックペッパー、クミンなど、料理の香辛料から抽出されます。ピリリと辛味のある刺激的な香りは少し癖があるため、ブレンドして使用することが多いものです。

脳の活性化を必要としない

スパイスの名前の通り刺激的な香りは、活性化効果によって脳の活性化や体を温める効果、食欲不振の改善などを助ける働きがあります。やる気に満ち溢れていると、香りの効果がかえって邪魔に感じるかもしれませんね。

スパイス系は、無気力状態の緩和にはクローブ、活気作用に期待ができるブラックペッパー、気持ちを前向きにするローリエ、血行促進や刺激作用にはシナモンなど、種類によって効果に違いはありますが、やる気と元気を与えてくれる香りです。

グリーン系

木々の緑をみるとホッとした気持ちになりませんか?グリーン系の香りは青々とした葉を連想させる、清涼感のある香りです。抗ウイルス、抗菌作用に優れているため、部屋の空気清浄にもよく活用されています。このグリーン系の香りは、大自然に抱かれるような広くて清々しい気分を求めている人にぴったりです。

落ち着いている

グリーン系の香りを嗅ぐと、イライラや落ち込んでいるネガティブな気分を吹き飛ばしてくれるような感じが受けられます。そのため、やる気がみなぎって前向きな気持ちに落ち着いていれば、効果はあまり感じられないでしょう。

リフレッシュしている

頭の中がもやもやしていたり、スッキリしたりしない時には、清涼感のあるグリーン系の香りでリフレッシュ。脳が疲れたと感じている時には自然本来の香りがスッと馴染み、気持ちをリセットしてくれます。新入社員や新学期が始まったばかりの学生さんは、仕事や学校生活に慣れるために、しばらくは緊張したままで日々を過ごされているでしょう。そのような時にも広大な自然を思い出させるグリーン系の香りは気持ちの解放を助けてくれますよ。

シトラス系

シトラス系の香りは甘酸っぱくて爽やかで、嗅いだ瞬間にリフレッシュ感を感じられる特徴のある香りです。オレンジやレモン、グレープフルーツ、ベルガモットなどが有名で、芳香成分の「リモネン」による覚醒作用で気持ちを引き締め、頭をスッキリとさせる効果に期待ができます。何かに集中したい時はシトラス系の香り効果を活用すると、新しいひらめきや作業の効率アップにつなげられるでしょう。

胃腸の調子が良い

何らかのストレスや悩みを抱え、体や心に不調を感じている人も多い今日。気持ちと胃腸は深く関わっているため、心理的な面から食欲が減退することがありませんか?シトラス系の香りは胃の不調に対して作用し、正常に食事が摂取できるように働きかけます。シトラスのスッキリ感が不要な人は、ストレスフリーの状態で穏やかな毎日を過ごしているということですね。

精神的に元気

シトラス系の香りには、気持ちが沈んでしまった時、心を明るくする効果に期待ができます。季節の変わり目やどれだけ頑張ってもうまくいかない時、何となく憂鬱な気分になってしまった時などは、シトラスの香り効果で心を元気にしてください。

ハーブ系

ハーブの茎や葉、花の香を抽出して再現したのが、ハーブ系の香りです。レモングラスやバジル、セージ、ローズマリーなどを思い出すと香りのイメージがつきやすいでしょう。爽やかな香りは気分をリフレッシュさせてくれます。

リラックスができている

ハーブの香りは落ち込んだ気分を元気づけ、回復させる効果を期待できます。仕事での失敗や人間関係で悩んだりした時にはハーブの香りで気分転換し、心を元気にしましょう。リラックスできる雰囲気や空間づくりにおすすめの香りです。

まとめ

心地よいと感じる香りも、人によっては苦手と感じられることがあります。その理由は、脳が香りの持つ効果や作用を必要としていないからです。今の自分に足りていないものがあれば、これを補う効果を持つ香りを「好きな香り」と感じると解釈すればわかりやすいでしょう。嗅覚は脳とダイレクトにつながり、香りを通じて私達の心理的な面をサポートしているのです。

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