アロマオイルをはじめとして、化粧品・シャンプー・消臭剤・洗剤など、私たちが普段使用している製品の多くには、香りの元となる香料が使われています。香料には、天然香料と人工香料(合成香料)がありますが、このふたつには大きな違いがあります。

この記事では、天然香料と人工香料の違いや、各香料のメリット・デメリットなどを紹介します。自分に合った香料を選ぶために、これまで香料に着目していなかった方も、ぜひ最後までご一読ください。

香料とは

香料は、香りをつけるための物質です。食品や各種製品など、香料はさまざまなところで使われています。香料のうち、食品に使われるものはフレーバー、食品以外に使われるものはフレグランスと呼ばれます。

フレーバーは、食品添加物として扱われて、匂いによって食品を美味しく食べられるように使われているのです。また、食品が本来持っていた香りが製造工程で失われたときに、香りを補う働きも持っています。用途に合わせて、水溶性・油性・乳化・粉末と4つの香料製剤に分類されます。

一方フレグランスは、香りによって人々の想像力をかき立てたり、消費者の多彩なニーズを満たしたりするために使われます。香料のうち、特にフレグランスが入っていないと、素材が持つ独特の匂いを感じます。香料を使うことで、油の臭いを感じにくくする「マスキング」の働きがあります。

天然香料とは

香料のうち、天然香料とは、動物や植物など自然界から得られる成分で作られた香料です。アロマテラピーなどで使われるアロマオイルも、天然香料に該当します。食品に使われるケースが多いため、割合としては植物から作られた香料の方が多く、食品衛生法によりおよそ600品目が天然香料に認定されています。動物性香料は、動物愛護の風潮や世界的な法律・条約によって、現在ではほとんど使われていません。

植物の種類によって、抽出できる天然香料の量は大きな差があります。香りのなかには、大量の植物が必要になるものもあるのです。

天然香料の抽出方法

天然香料の抽出方法は、主に3つあります。各方法について、簡単に説明します。

圧搾法は、果実の皮を絞って圧搾し、香料を抽出する方法です。熱を加えず、果実本来の香りが楽しめるため、熱に弱い柑橘系などの原料で多く使われます。

水蒸気蒸留法は、ハーブや樹木などを蒸気で蒸し、蒸気の熱でアロマ成分を気化させます。その後、タンクなどで冷却して液体に戻し、2層に分かれた液体のうち上澄みの部分に抽出されたアロマ成分を取り出す方法です。

溶剤抽出法は、アロマ成分を直接溶かし、エタノールやアルコールで芳香成分を抽出する方法です。花由来の原料を、水蒸気蒸留法で抽出しようとすると香りが変わるため、溶剤抽出法が用いられます。他にも、圧搾法や水蒸気蒸留法での抽出が難しい原料で使われます。

このように、どの抽出方法が合っているのかは香料の性質によって異なるため、適切な選択が必要です。

人工香料とは

人工香料(合成香料)とは、化学反応を利用して人工的に作った香料を指します。人工香料の原料は、自然界から成分を取り出したものと、石油系の原料を元にするものに分類できます。

人工香料の種類は3,000にもおよぶと言われていて、なかには食品香料として使用できるものもあります。食品衛生法で使用が許可されている人工香料は、18類132品目です。

人工香料には、主に3つの種類があります。単離香料は、天然香料に含まれる特定成分を、化学処理で抽出する香料です。半合成香料は、管理綱領を原料に合成して製造する香料です。合成香料は、化合物を科学的に合成して製造する工業です。化粧品に配合される合成香料は、表示上は香料となっているため、一見しただけでは天然香料もしくは合成香料どちらが使われているかは分かりません。

人工香料の抽出方法

人工香料は、まず石炭・石油・ガスなどの原料に含まれる成分から、化学反応により抽出できる成分を取り出して合成します。その後、合成反応によって香り成分が生まれるのです。成分の抽出には、特殊な溶媒が必要です。

天然香料のメリット

天然香料と人工香料には、それぞれメリットやデメリットがあります。メリットやデメリットを知っておくことで、用途や使用シーンに合わせた香料が選択可能です。最初に、天然香料のメリットを2つ紹介します。

体に良い効果がたくさんある

天然素材から作られている天然香料は、人間の体と心の両方へすみやかに作用します。同じ香りであっても、人工香料は天然香料のように心身に働きかけることは困難です。

天然香料を取り入れることで、リラクゼーション効果やホルモンバランスを整える効果、身体機能を高める効果などが期待できます。例えば、バラの香りであるオールドローズは、脳内ホルモンのひとつであるオキシトシンの分泌促進効果が期待できます。幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンは、自律神経のバランスを整え、ストレスを緩和する働きもあるのです。

ナチュラルな香りを楽しめる

天然香料の原料である天然素材の作用で、天然香料はナチュラルな香りが楽しめます。これによって、自然の優しさを肌で体感できるようになるほか、さらなる健康維持にもつながります。

自然が生み出した天然素材の力を、天然香料によって感じることで、地球の恵みのありがたさを感じられるでしょう。

天然香料のデメリット

天然香料は、天然素材を使っているからこそのデメリットもあります。代表的なデメリットは金額面であり、次の項で詳細を紹介します。

人工香料に比べ高い

植物から救出できるアロマは、量が限られています。例えば、ラベンダーオイルを1リットル抽出するには、ラベンダーの穂先が150kg以上必要だと言われているほどです。また、ローズオイル1滴の抽出にバラの花50個前後が必要だと言われています。多くの植物が必要なことで、コストも高くなってしまう点が、人工香料よりも金額が高くなる大きな要因です。

人工香料のメリット

天然香料と比較すると、人工香料にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。先にメリットから紹介します。

香りが安定している

人工香料は人為的に作られた香料であるため、素材や産地などによる香りのムラがありません。香りの強さや濃さも、天然香料に比べしっかりとしています。空間への広がりも優れており、ルームフレグランスや芳香剤にぴったりだと言われているのです。

天然香料に比べ安い

植物を原料とする天然香料は、植物の生育状況によって供給が大きく左右されます。一方、石油系の原料を使っている人工香料は、安定した供給が可能です。これにより、天然香料よりも安い金額で購入できます。

人工香料のデメリット

メリットが多いように思える人工香料でも、デメリットが存在します。人工香料のデメリットは、人工ならではの香りが関係しています。

香りが強すぎる場合がある

人工香料の香りは、化学的に作られたものであり、天然香料よりも香りが強くなっています。香りが強すぎると、洋服やカーテンなどに匂いが染みつき、体質によっては人工香料の成分により頭痛やめまいを引き起こす可能性もあるのです。

天然香料の場合は、香りが強すぎるという心配はほぼありません。

まとめ

天然香料と人工香料は、同じ場面で使われるケースも増えているものの、原料や製造方法は全く異なります。自分の好みに加え、使用場所や用途に合わせて香料を選ぶようにしましょう。

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