アロマの良い香りを嗅ぐと心地よく感じられるのは、それまでの疲労やストレスから開放されて心身がリラックスするからです。「アロマの香りで?」と驚かれるかもしれませんが、香りが心身をリラックスさせる効果のメカニズムは明確に存在しています。この記事では香りがもたらすリラックス効果が、脳や自律神経とどのように関係しているのか、またリラックス効果に期待ができるアロマの紹介と合わせて解説していきます。

香りと脳の関係

嗅覚に訴える香りのパワーは脳へどのような影響を与えているのでしょうか?まずはその関係性を説明しましょう。

嗅覚は五感の中でも太古から存在する感覚器

五感の発展は、その生物の生育環境や進化に応じて大きく左右されてきました。そのなかでも嗅覚は生物が水中から陸棲へ進化していく過程でできた、太古から存在する感覚器なのです。

本能的な行動や感情に関わる大脳辺縁系にダイレクトに届く

現代人は視覚・聴覚の情報が中心となる、「デジタルライフ」を過ごす人がほとんどです。これらの感覚器から受けた刺激は知性や理性、善悪の判断に関わる「大脳新皮質」だけが稼働している状態であるため、感情や情緒を掻き立てる感覚が乏しくなっています。これでは脳のバランスが悪くなり、イライラや不安などの精神的疲労を招いてしまうのです。

これに対して嗅覚だけは大脳新皮質を経由せず、大脳辺縁系に直接届けられます。大脳辺縁系は「哺乳類脳」と呼ばれ、愛情や喜び、怒り、仲間意識など情動に関わる脳で、この部位に香り効果がダイレクトに届くことにより、自律神経を整える効果に大きく期待ができるのです。

香りを嗅ぐと、考えるより先に感情が湧く

香りを嗅ぐと気分が良くなったり、心地良く感じられたりする理由は、嗅覚を介して体内に取り込まれた香り成分が、前述したように本能や感情を司る大脳辺縁系へ直接働きかけるためです。香り成分が持つさまざまな作用や効果が脳を活発にし、考えるよりも先に感情が湧くという結果を生んでいます。

さらに香りで脳が活発になると、私達の生活にも変化が起こることを身をもって感じられるでしょう。頭がスッキリとしてやる気が出ると、勉強や仕事に集中できるだけではなく、記憶力のアップや作業がスムーズになるといった効果を期待できます。

アロマとリラックス効果のメカニズムをご紹介

アロマの香りでリラックスできるのは、脳の中でどのようなことが起きているからなのでしょうか?ここでは嗅覚を介して体内に吸収された芳香成分が脳に届き、心身がリラックスするまでのメカニズムについて説明していきます。

香りを嗅ぐことで芳香成分が体内に入る

まずは、香りを嗅ぐと香りの芳香成分が体内へと取り込まれます。このルートは大きく分けて3つあります。

  1. 鼻(嗅覚)から脳へ伝わるルート
  2. 肺から全身へと伝わるルート
  3. 皮膚から全身へと伝わるルート

アロマの香りは①のルートによって嗅覚から芳香成分を体内へ取り込み、直接感情を司どる大脳辺縁系へ届けられます。

自律神経を調整する視床下部へ伝わる

大脳新皮質を経由せず、大脳辺縁系に届いた芳香成分は、自律神経系を司る視床下部に直接送られて自律神経を整えます。自律神経とは交感神経(活動する神経)と副交感神経(休む神経)の2つから成り、お互いがバランスを保ちながら体内の環境を整えています。しかし、バランスが乱れて交感神経が優位になると体の緊張状態が続き、ストレスが溜まってしまうのです。つまり、活動するばかりで休憩がないという状態です。

自律神経に作用するため、リラックスできる

アロマの香りで大脳が刺激されると、自律神経やホルモンバランスを整える作用が働き、副交感神経が優位になります。この作用により、緊張がほぐれて気持ちが落ち着き、身体がリラックスできるのです。最近身体の疲れがとれない、気分が優れない、眠れないなど、不調を感じる時には、気持ちが落ち着く香りを側に置いて香り効果をお試しください。

香りの拡散には、簡単に使用できるディフューザーがおすすめです。さまざまなタイプのディフューザーがありますが、まずは自分の周りに心地良い香りを漂わせるアロマストーンや、リード式のディフューザーから始めてみてはいかがでしょうか。アロマストーンなら軽くて持ち運びにも便利なため、そっと鞄に入れておき、外出先でも活用できますよ。

どんなアロマがいいの?

香り効果でリラックスするためには、副交感神経を活発にさせ、自律神経を整えるアロマを選びましょう。アロマにはこの他にも、さまざまな作用や効果を持つ香りがあります。アロマ選びは自分が心地良く感じる香りであるか、品質は安心できるものか、手頃な価格であるかを見極めるのが大切なポイントです。

100%天然のエッセンシャルオイル

アロマで最も重要であるのは品質です。アロマの香り効果に期待するなら、合成香料を含むアロマではなく、植物から抽出された100%天然のアロマを選びましょう。その理由は、100%天然のアロマは優しい香りで人間の五感に心地よく作用し、植物の薬理効果を安全に取り込めるからです。

天然アロマであるのかどうかを見分けるには、アロマが入った瓶のラベルを見て、「精油」または「エッセンシャルオイル」の表示があるか否かで確認できます。

様々な香りを嗅いでみる

自分にとって必要なアロマを探す時には、さまざまな香りを試してみてください。人それぞれに香りの好みはありますが、香りを嗅いだ時に「心地良い」と感じたアロマの香りこそが、今心身に足りていない作用や効果を持ったアロマです。本能的に必要な効果が判断されるため、香りを選ぶ時には、その時に好きな香りと感じたものを選ぶと良いのです。

香りには300もの種類があると言われているため、すべてを嗅ぐのは難しいですよね。そこで香りを大きくグループ分けした7つの系特(フローラル系、柑橘系、ハーブ系、樹木系、スパイス系、樹脂系、オリエンタル系)から、イメージする香りに近いと感じるものを決めます。そのなかから実際に香りを嗅いで、心地良いと感じられるアロマを選ぶと良いでしょう。

好みでブレンドする

嗅覚は本能的な感覚のため、香りによる作用が脳で判断される前に、心身に効果が感じられます。単品で使用しても良いですし、2つ以上の香りをブレンドして自分に合ったオリジナルのアロマを作れるのもアロマの魅力です。

ブレンドするときのポイントは、

  • 欲しいと感じる効果効能を持つアロマをセレクトする
  • 自分の好きな香りを選ぶ
  • それぞれ香りによって強弱があるため、「心地良い」と感じられる程度に調合する

ブレンドする香り選びは、同じグループの香りや隣り合うグループの香りとの相性が良いと言われています。

香りのグループ関係

①柑橘系→②フローラル系→③オリエンタル系→④樹脂系→⑤スパイス系→⑥樹木系→⑦ハーブ系→①の柑橘系に戻る

このように、①の柑橘系と相性が良いのは、②のフローラル系と⑦のハーブ系になります。自分のオリジナルアロマを作り、日常生活を快適に楽しく過ごしてくださいね。

アロマでリラックスするならインプルーブへ!

香りの芳香成分は脳へダイレクトに届くと、自律神経を整えて心身をリラックスさせてくれます。何かとストレスと隣り合わせている現代人、忙しい日常生活に香り効果を取り入れてみてはいかがでしょうか?アロマは難しいと思われているなら、ぜひ香りのプロ・インプルーブへご相談ください。

お客様の現状をお聞きして、必要とされる効果やお好きな香りを持つアロマをセレクトいたします。「好きな香りがいくつかあるけど、どれを選ぶべき?」といったご相談も遠慮なくお申し付けください。お客様だけのためにブレンドした、オリジナルアロマをお作りいたします。心地良い香りで心身をリラックスさせて、快適な日々を過ごしましょう。インプルーブは、お客様の香り生活作りをお手伝いさせていただきます。